採用できないからといってホワイト企業を全面に打ち出して採用しすぎた結果、しっかり働く人がいなくなってきたらどうすれば良いか

最近、なかなか採用できないからといって、「新卒でも高収入」「経験不問」、「福利厚生充実」、「年間休日125日以上」など、求職者に迎合しすぎる求人を出している企業が多くなっております。

このようにホワイト企業を全面に打ち出して採用活動をすると、確かに応募は多くなりますが、反面、あまり働く気がない人が多く応募してくるようになります。

そうすると色々な苦労が増えます。

たとえば、そういった社員はなかなか戦力化しないことが多いです。あまり働く気がない社員は、自己成長や目標達成に興味がないため、自己啓発をすることはほとんどありません。またパワハラや残業強要になってはいけないので、上司が教育するのに苦戦する傾向が強いです。

また、そういった社員が増えてくると、職場内に「やる気のない停滞した雰囲気」が充満することがあります。職場内に「仕事なんてやってもやらなくても一緒」、「仕事なんかやらなくても怒られない」といった雰囲気が一度流れてしまうと、元の「みんなで頑張って成果を出す職場」に戻すことは相当な労力が必要となります。一度ラクすることを覚えたメンバーは、なかなかがむしゃらに頑張ることができなくなってしまいます。

さらに、あまり働く気がない社員のフォローは頑張る社員が行うことになるため、頑張る社員は搾取されていると感じることが多くなります。たとえば突然の有給をフォローしたり、納期に間に合わない仕事をフォローしたりなど、頑張る社員が臨機応変に対応することが多くなり、頑張る社員への負担は過重になります。その結果、頑張る社員が転職をしてしまうということがよくあります。

そうなってしまっては、仕事を頑張って成果を出す社員が、社内からいなくなってしまい、会社は衰退の一途をたどります。

このため、採用するのが難しいからといって、ホワイト企業を全面に打ち出して採用するのであれば、あまり働く気がない社員を採用したとしても仕事が問題なくまわる「再現性の高い組織づくり」をする必要があります。そのために重要なことは、あまり働く気がない社員をしっかりとフォローする管理職や上司などの幹部社員の育成です。

大切なことは、採用力アップのために新入社員の初任給を上げることではなく、頑張ってくれる幹部社員をしっかりと大きな待遇で処遇することです。最近では採用がうまくいかないので、初任給ばかり上げる企業がありますが、むしろ給与を上げるべきは会社のために頑張ってくれる人、成果を出してくれる人です。

逆にいえば、幹部社員を育成して評価し処遇をする体制(教育制度・人事制度)が整っていれば、優秀な人ばかり採用しなくても問題ないということになります。「経営者、経営幹部、管理職、職場リーダー、スタッフ」というピラミッドがしっかりと形成されていれば、そこまで大きな問題にならないことがほとんどです。(単に役職を与えればよいということではありません

これからの時代は、多様性の時代です。ワークを重視する生き方も、ライフを重視する生き方も当然認められるべきです。であるならば、あまり働く気がない社員を採用したとしても、十分に仕事がまわるように「マネジメントの再現性」を向上するため、強力な経営幹部を育成することこそが、これからの重要課題となります。

ぜひ強い経営幹部を育成し、しっかりと処遇をして、誰を採用してもうまく仕事が回る。そんな職場をつくってみてください。

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この記事を書いた人

大橋 高広 大橋 高広 株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長

株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長。人事コンサルタント。現場で実践して成果が出ることにこだわった『人事制度の設計と運営』と『マネジメント研修』の専門家。創業10年以上、支援実績100社以上、1on1実績1,500名以上。ビジネス作家として、商業出版3冊(15,000部以上)を上梓。セミナー・講演・寄稿などの活動も積極的に展開。

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