また、育成計画書を作成したり何度も繰り返し教えるなど、長い時間を要するものだというイメージをもっている方が多いと思います。
たしかに、人材育成は一朝一夕に成果が出るものではなく、根気も必要です。
しかし、せっかく時間をかけるならば、育成のポイントをしっかりおさえて、効果的なOJTを実施したいですよね。
そこで今回は、新人受け入れ時にポイントを絞って、効果的なOJTを実践するための方法をお伝えしたいと思います。
人材育成のポイント!受け入れ前~出勤初日が重要な理由
人材育成といえば、「どう教えようか」「どのような内容・順番で教えようか」など、OJTの内容について考える方が多いと思いますが、実は初めに重要なポイントとなるのは、受け入れ前~出勤初日の準備です。
なぜか?
それは、新人スタッフの企業に対する印象が決まる時期だからです。
企業にしてみれば、受け入れ時の流れはルーティンであり、慣れたものかもしれません。
しかし入社する側にとって、出勤初日や入社間もない時期は特別で、希望と一緒に大きな不安が入り混じっているのです。
そのため、とくに出勤当日までの期間はソフト面・ハード面ともにしっかり準備をし、企業と新人スタッフの信頼関係を確実につくることが重要なのです。
人材育成のポイント!〜受け入れ前の準備〜
それでは、新人スタッフが出勤当日を迎えるまでに、会社側で準備することについて具体的にお話ししたいと思います。
この準備が不十分な状態で出勤初日を迎えてしまうと、新人スタッフからの信頼を失ってしまったり、新人スタッフが疎外感をもってしまうことがあります。
(1)既存スタッフへの情報共有をしておく (ソフト面)
既存のスタッフへ向けて、新人スタッフが入社することを伝えておきましょう。
できれば朝礼や夕礼・全体ミーティングといった、より多くのスタッフへ一斉に発信できる方が、伝達漏れがなく、伝える内容にもブレが出ません。
また、スタッフからの質問にもその場で答えることができます。
どうしてもスタッフへ直に伝える機会が無い場合は、メールで伝えるようにしましょう。
などです。
事前に既存スタッフへの情報共有を行うことで、心構えができたり育成計画をより細かく考えられるというメリットがあります。
(2)制服・ロッカーなどの準備をする (ハード面)
出勤初日にOJTがスムーズに始められるように、制服やロッカー・シューズなども漏れなく準備しましょう。
もし、OJT上司となるスタッフが不在の場合でも、誰もが漏れなく準備・確認ができるように、チェックリストや準備するものの一覧などがあれば良いですね。
もちろん、採用決定時に本人へ制服や靴のサイズなどを確認するのを忘れないように気を付けましょう。
人材育成のポイント!〜初出勤当日〜
出勤当日も、新人スタッフが初日でつまずかないように、OJTがスムーズに実施できる環境をつくりましょう。
ここでは、出勤当日に心掛けたいポイントについてお話ししたいと思います。
(1)笑顔で受け入れとあいさつをする
出勤初日に先輩から笑顔であいさつされて嬉しかった、逆に無言で会釈だけされて悲しい思いをした、という経験があなたにもあるのではないでしょうか?
初めのあいさつ次第で、本人の仕事に対するモチベーションが決まることもあります。
そこで、なるべく新人スタッフの緊張がほぐれるように、既存スタッフ(とくにOJT上司)は笑顔で受け入れとあいさつをするように心掛けましょう。
また、初日はOJT上司が新人スタッフを連れて、上長や既存スタッフへのあいさつ回りをすることも大事です。
(2)新人スタッフの育成計画書を作成している
育成計画書が無いままOJTをすることは、頂上の見えない山を登ることと同じです。
「いつまでに」「何を」「どのレベルまで」習得してほしいのか、伝える必要があります。
そのためにも、新人スタッフとOJT上司の双方にとって、見やすく分かりやすい育成計画書が必要です。
※下記が育成計画書の例です。
さいごに
新人スタッフと職場の信頼関係を構築し、スムーズなOJTやその後の定着に繋げるためには、受け入れ前の準備と出勤当日が非常に重要ということがお分かりいただけたと思います。
とくに新人受け入れ時は、OJT上司だけではなく周りの協力も必要になります。
周りのスタッフをしっかり巻き込んで、万全の状態でOJTができるようにしましょう。
人材育成といえば、現場で指導するOJT・外部研修やセミナーを受講させるなどのOFFJTを思い浮かべる方が多いと思います。