優秀な人材が辞めていく会社には、共通点があり、放置しておくと会社の業績悪化や組織の崩壊につながりかねません。
経営者や人事担当者だけでなく、会社で働くすべての人にとって、離職率の上昇は深刻な問題です。
本記事では、人が辞めていく会社に見られる特徴と、職場改善に幹部社員・管理職への必要な対策を解説します。
評価制度や人間関係、キャリアアップ、ワークライフバランス、社風、給与、経営ビジョンなど多角的な視点が必要な人事課題ですが、多くの経営者が見過ごしがちな問題点である、幹部社員や管理職への対応をご紹介します。
"エース社員・人が辞めていく職場"は
幹部職員・管理職育成が欠かせません
人が辞めていく会社の実態とは?見逃せないの特徴と解決策
社員の大量離職は、企業にとって深刻な問題です。
業績悪化や組織崩壊に繋がりかねないため、その原因究明と対策は喫緊の課題といえます。
多くの企業が経験する、人が辞めていく会社には共通した特徴があります。
評価制度が曖昧で、頑張りが正当に評価されない
評価基準が不明確であったり、上司による恣意的な評価であったりすると、社員はモチベーションを失います。
「頑張っても報われない」という感覚が蔓延すると、優秀な人材ほど会社を辞めることを選択する傾向にあります。
上司や同僚との信頼関係が構築できていない
職場環境は、社員の定着率に大きく影響します。
上司との信頼関係がない、同僚との人間関係が悪いなどの職場環境では、次々と人が辞めていきます。
優秀な人材だけでなく、きちんと仕事をしてくれていた社員が抜けた職場では、ハラスメントも横行しやすく、新しい人材を採用しても安心して仕事に取り組めず、早期離職につながります。
成長機会が乏しく、キャリアアップが見込めない
社員は、自身の成長やキャリアアップを望んでいます。
研修制度が不十分であったり、昇進の機会が限られていたりすると、将来への不安から離職を考える社員が増えます。
また、どんなに優秀な社員であっても上司によるサポートが必要不可欠です。
優秀な社員に育てるには、上司による育成が大事です。
- 会社がキャリアプランを用意してくれている
- 育成プログラムとスケジュールが設定されている
- 1on1による個別指導が実施されている
社風や企業理念に共感できない
企業理念・社風と社員の価値観が一致しない場合、社員は長く勤め続けることに疑問を抱きます。
企業理念が空疎であったり、実際とはかけ離れていたりする場合、社員のモチベーションは低下し、離職率の上昇に繋がります。
幹部社員や上司が企業理念やビジョンを理解し、噛み砕いた上で現場社員に伝えられなければ、会社全体に浸透しません。
給与や待遇が低い、昇給が見込めない
給与や待遇は、社員のモチベーションを維持する上で重要な要素です。
給与水準が低すぎたり、昇給の見込みが薄かったりすると、生活の不安から転職を考える社員が増えます。
経営陣のビジョンが不明確で、将来への不安がある
会社の将来像が見えず、不安定な経営状況が続くと、社員は会社への信頼を失います。
経営陣のビジョンがしっかりしていても、社員に伝わっていなければ、将来への不安を感じ、他の企業への転職を検討する可能性が高まります。
幹部社員や管理職がビジョンを可視化し、社員の業務やキャリアプランと結びつけることができていれば、一時的に経営状況が不安定でも社員は一丸となって行動してくれます。
"エース社員・人が辞めていく職場"は
幹部職員・管理職育成が欠かせません
チームビルディングと人材育成ができる上司・幹部社員が必要
人が辞めていく職場には、チームビルディングや人材育成ができる上司や幹部社員がいないことが原因です。
中小企業の多くは幹部社員や管理職育成に投資をしてきませんでした。
人が定着する職場には、幹部職員や管理職への育成が不可欠です。まずは自社の幹部社員や管理職の状況を確認しましょう。
管理職の人事評価制度への理解は十分か?
人事評価制度がしっかりしていても、管理職が人事評価制度を理解せずに活用できなければ、現場の社員は自分の頑張りが正当に評価されていないと感じ、モチベーションが低下します。
管理職が人事評価制度に基づいて、明確な評価基準を設け、評価プロセスを透明化することが重要です。
管理職は、具体的な行動や成果を普段からメモを残し、客観的に測定できる指標と併せて、評価を下す必要があります。
また、定期的なフィードバック(1on1ミーティング)を行い、記録したメモを元に、社員の目標達成をサポートしていくことが大切です。
1on1ミーティングで上司と部下が信頼関係を築けているか
職場の人間関係は、社員のモチベーションや働きやすさに大きく影響します。
上司や部下が良好な関係を築けるように、定期的に1on1ミーティングを実施しなければなりません。
その際、人事評価制度を元に「どういった行動や数字を達成したら評価するか」を上司と部下で約束を行いましょう。
約束をした上で、普段から部下の行動をメモに残しておき、1on1ミーティングの度にフィードバックを行いましょう。
また、上司以外にも相談しやすい環境を作ることで、社員同士の親睦を深めることができます。会社として以下のコミュニケーション機会を儲けることもおすすめです。
- 定期的な懇親会やチームランチ
- 部署交流などを企画する
交流会は必ず業務時間内で行うようにしましょう。また、ハラスメントが発生しないよう、社内規定を明確化し、相談窓口を設置するなど、ハラスメント対策を徹底することも重要です。
幹部社員・管理職向けの研修制度は提供できているか
幹部社員や管理職は、ほっとおけば、育つわけではありません。
一般社員と同様に幹部社員(候補含む)や管理職に対して研修制度を設けなければ、幹部社員・管理職としての成長機会が少ないと感じ、キャリアアップが見込めず、モチベーションが低下する原因となります。
そのため、管理職向けの研修制度や資格取得支援など、幹部社員・管理職のスキルアップを支援する施策が必要です。
階層別研修や職種別研修、外部研修への参加などを積極的に支援することで、社員のスキル向上を促進し、キャリアパスを描くことができます。
管理職が社風や企業理念に共感し、現場に伝えられているか
企業理念や社風と社員の価値観が一致しない場合、ミスマッチが生じ、離職につながります。
企業理念や社風を明確に打ち出しても、伝える側である幹部社員や管理職が理念に共感し、行動に落とし込めていなければ、優秀な人材を採用することも、定着率を高めるもできません。
経営ビジョンを明確に示し、社員の将来への不安を払拭できているか
経営ビジョンがしっかりしていたとしても、それを伝える幹部社員や管理職がビジョンを理解していなければ、社員は将来への不安を感じ、離職につながる可能性があります。
そのため、幹部社員や管理職は、自分なりに会社の将来像を明確に示し、社員と共有する必要があります。
経営報告会や社員懇談会などを通じて、会社の現状や今後の展望を上司から説明することで、社員の不安を解消し、モチベーションを高めなければなりません。
まずは幹部社員や管理職に社風や企業理念、経営ビジョンを落とし込むことが、業務を遂行する現場社員の職場に対する不安を払拭できる対策となります。
大橋高広の管理職・若手リーダー研修
大橋高広の人事コンサルティングは、幹部社員・管理職・若手リーダーの育成を目指した研修を得意としています。
中小企業で抱えている人的課題の多くは、幹部社員・管理職の育成で解決できます。
それほど、企業にとって、幹部社員・管理職の存在は貴重であり、会社として投資すべき人的資本といえます。
大橋高広の幹部社員・管理職研修では、管理職・若手リーダーに『学び』と『気付き』を与えて行動を引き出すことを重視してご提供させていただいております。
管理職や若手リーダーに期待する5つの役割やデータから見る組織における『管理職・若手リーダー』の重要性など意識改革を行い、理想の管理職・若手リーダー像を考察するワークショップを通じて、"本当に必要な"マネジメントの姿を、エース社員を含む幹部社員候補や管理職の皆様に体感していただけます。
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