しかし、大企業を含む多くの会社が形式的かつ意味のない、1on1面談を実施していっても過言ではありません。
「最近、どう?」「大丈夫」という言葉から始まる1on1面談は、最早実施する意味どころか、逆効果となり、部下やスタッフの離職につながります。
本記事では、大橋高広が実際に人事面談の現場で使用する1on1専用の面談シートを元に、効果的な1on1面談のやり方を解説します。
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1on1面談(1on1ミーティング)とは
1on1面談とは、定期的に時間と場所を確保して、部下と上司が1対1で行う面談(対話)です。
部下がどういうキャリアを望んでいて、今何に悩んでいるのかを軸に対話することで、社員の本音を引き出すことができます。
また、大橋高広は1on1の目的を以下の4つと定義しています。
特に上司と部下との信頼関係の構築は人事評価面談にも大きく影響します。
従業員が企業の売上・利益に貢献できる社員に成長できるかは、上司と部下の信頼関係の構築が最も大切です。
1on1面談で「最近、どう?」「大丈夫」という管理職は「あなたのことを見ていません。育成しようとも思ってません」と部下に直接伝えていることと変わりありません。
こうした言動は上司と部下との信頼関係を壊す発言のため、今すぐやめるべきです。
評価面談・日常会話との違い
1on1面談は評価面談や日常会話とはその役割が明確に異なります。
管理職の方の中には「普段から日常会話をしているから1on1面談は必要ない」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、それぞれ目的や内容が異なるため、部下やスタッフの育成を真剣に考える場合、1on1面談は必ず実施しなければなりません。
1on1面談の目的は「対話の中で部下に気付きを与える」ことです。
一方で、評価面談は「人事評価を確定するための材料となる事実を上司と部下で確認し合う」ことを目的としており、日常会話は「職場で良好な人間関係を形成する」ことを目的にしています。
まずはそれぞれのコミュニケーションの目的をしっかりと把握することから始めましょう。
本記事でご提供する、大橋高広公式1on1面談シート(全13ページ研修資料付き)では1on1面談の目的を、他のコミュニケーションとの違いと比較して解説しています。
そのほか、1on1面談を実施する際のポイントを重点的に解説していますので、ぜひお役立てください。
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1on1面談の進め方(大橋高広式)
1on1面談は面談前、面談当日、面談後の3つに分けて、実施します。
1on1面談前の進め方
面談前では、面談のテーマだけでなく、部下が本音を話しやすい時間と場所の選定や面談がスムーズに進むように準備することが大切です。
1on1面談前には以下の進め方を参考にしてください。
- 面談のテーマを決める(部下と一緒に決める)
- 場所と時間を決める(社内・社外どちらでもOK)
- タイムスケジュールを決める(面談シートの項目毎に割く時間を決める)
- 小道具を用意する(飲み物やお菓子、BGM、ポストイットなど)
面談テーマが思いつかない場合や、各準備項目のポイントは大橋高広公式1on1面談シート(全13ページ研修資料付き)で解説しています。ぜひご活用ください。
1on1面談当日の進め方
1on1面談当日は以下でご紹介する進め方で実施しましょう。
1on1面談は「部下の話に傾聴する」ことが大前提です。優れた上司や管理職は「話を聞くこと」が優れています。
プレイングマネージャーが多い日本企業において、この「話を聞く力」を十分に養ってこなかったため、部下の育成に悩む管理職が多いと考えています。
- 1on1の目的を伝える(成長を促す目的でテーマは自由と伝える)
- 面談テーマ(事前に決めたテーマを確認する)
- 現在の状況を確認(テーマに関して、部下の現状を確認する)
- 直面している課題・悩み(話を遮らず、最後まで傾聴する)
- 上司や会社にして欲しいサポート(目標達成や課題解決のために希望するサポート)
- これから実施していくこと(具体的な行動や成果を決める)
- 上司からのアドバイス(面談の総括と取るべき行動など具体的なアドバイスをする)
- 備考(面談中に気づいたことをメモする)
- フリートーク(面談テーマ以外で話す:未実施でもOK)
- 次回の1on1面談テーマを設定
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人材の定着を維持するためには中間管理職による1on1面談が必要不可欠であり、部下やチームメンバーの課題や悩みを引き出すために必ず実施する必要があります。ところが、管理職自身は1on1を受けたことがないために、どうしたら良いのかわからないという方は少なくありません。そんな悩みを抱えている管理職・職場リーダー向け人事テンプレート「1on1面談テンプレート」と「実践のための研修資料」を無料でダウンロードいただけます。
1on1面談後の進め方
1on1面談を終えたら、以下の3つの作業が必要です。
- 面談記録を作成する(面談シート、人事システムどちらでも可)
- 面談記録を共有する(共有する際は必ず部下の許可を取る)
- 次回の面談スケジュールの管理と場所を確保する(次回面談の準備)
1on1面談は「情報共有」ではなく、「対話」です。
そのため、1on1面談で業務報告に近い面談はする必要はありません。
また、上司と部下が対話を行うためには信頼関係の構築が重要です。
部下の本音や部下の潜在意識を引き出せるように、1回限りにせず、必ず継続して実施しましょう。
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上司が効果的な1on1面談を行なう3つの能力
上司が適切な1on1面談を実施し、部下やスタッフの育成を成功させるためには、「傾聴力」、「自己開示力」、「質問力」の3つが必要です。
傾聴力
傾聴力とは、相手を理解するコミニュケーション技法のひとのひとつで、相手の話を深く聴き入り、相手の話し方や表情といった言葉以外の動作に注意を払い、相手の本音や潜在意識を引き出す力です。
面談する上司が傾聴力を発揮することで、部下の悩みや課題を引き出せ、適切なサポートを実施することができます。
自己開示力
自己開示力とは、他者にありのままの自分をさらけ出す力です。
自分の強みや弱み、悩みなども含めて開示し、相互理解を深め、信頼関係を構築できます。
人材育成は中間管理職の力量によって、成功するかどうかが決まります。
職場の多くの問題・課題は上司と部下の信頼関係の有無が強く影響しています。
1on1面談では上司と部下との間に信頼関係があることが最も大切です。
質問力
質問力とは、不明点や疑問点を投げかける力です。相手の意図や状況、本音を正確に引き出すためのコミュニケーション技法のひとつです。
1on1面談では、部下自身が気づいていない考えを引き出す対話の場でもあります。
この「考えを引き出す」には、上司の質問力に左右されるため、まずは質問力をつける必要がありますが、型を押さえれば、決して難しいものではありません。
1on1面談を実施する上で、上司に求められる3つの能力は、訓練をすることで習得できます。大橋高広公式1on1面談シート(全13ページ研修資料付き)では、傾聴力、自己開示力、質問力を効果的かつ最大限に活用できるポイントも解説しています。
1on1面談シートのテンプレートを無料ダウンロード
大橋高広公式1o1面談シート(全13ページ研修資料付き)は、実際に人事現場で使用する面談シートです。中小企業80社以上の支援実績、1,200名以上のクライアントスタッフ面談実績(2023年1月1日現在)で培ったノウハウを集約した、1on1面談シートテンプレートです。また、実際の1on1面談に活用できるように、大橋高広が人事コンサルティングを提供する際に活用する1on1面談の研修資料付きのため、ダウンロードをしたままにならず、実際の1on1面談でご活用いただけます。
まとめ
1o1面談はスタッフや従業員の育成や定着に欠かせない、中間管理職の重要な職務です。
また、会社がこれから成長するか、衰退するかは現場を担う管理職の育成にかかっています。
管理職に丸投げする1on1面談は意味をなさないどころか、スタッフや従業員の離職につながります。
本記事の内容が御社の人材育成、特に管理職の育成にお役に立てていだければ、幸いです。
上司と部下の間に信頼関係を生み出すためには、定期的な1on1面談(1on1ミーティング)が欠かせません。