しかし、中小企業の多くの企業では、「人がなかなか育たない」「優秀な人材が足りない」など、人材育成についての問題が課題となっています。
人材が育たない原因のひとつには、「管理職のあり方」が深くかかわっています。
人材が育たない理由と解決法について解説します。
人材が育たない職場とは
人材が育たない職場とは、どのような職場なのでしょうか。
人材が育たない職場にみられる特徴について解説します。
教育・研修制度が整っていない
人材が育たない職場は、そもそも教育・研修制度が整っていない、または適切な教育・研修制度が実施されていないことがほとんどです。
そもそも教育・研修制度を実施していない場合は当然、人材の成長に期待できません。
また、いくらコストをかけて社員教育・研修制度を実施しても、レポートを提出させて終わりであったり、「受講させたから大丈夫」という、その場限りの研修で終わらせていたり、研修で学んだことを活かせていない企業がほとんどです。
また、研修の内容は、知識重視よりも、「意識改革」に重点を置いたものの方が、社員の意識改革につながるため、あらゆる場面で応用がききやすいといえます。
人材が育たずに悩んでいる企業は、「教育・研修制度」の実施状況を見直してみましょう。
社員全体のモチベーションが低い
社員全体のモチベーションが低い企業は、人材が育ちにくい傾向にあります。
企業の成長および人材の成長には、社員ひとりひとりの意識、モチベーションが重要であり、常に目的や目標を意識した姿勢が必要となります。
また、人は自身の成長を感じられると、自然とやる気がみなぎり、活き活きとします。そのため、人材が育ちやすい職場というのは、活気に溢れた職場であり、社員全体のモチベーションも高い傾向にあります。
育つ前に辞めていく
人材が育たない職場というのは、(若手)社員が育つ前に辞めていく傾向があります。
企業の未来を背負うのは若手社員であり、若手社員の成長は企業の存続に大きく影響しますが、人材が育たないような職場では、育つ前に若手社員が辞めていってしまいます。
そのため、人材が育たない企業では、常に人材の確保に苦戦し、悪循環を繰り返しています。
人材が育たないとどうなる?
人材育成は企業の成長に欠かせませんが、人材が育たない場合、企業はどうなってしまうのでしょうか。
若手社員(部下)が育たない場合
企業の未来を担う若手社員(部下)が育たない場合、企業の未来は暗く、業績はどんどん悪化していきます。
常に成長・変化がともなうビジネスシーンでは、現状維持は衰退を意味し、成長が見込めないような企業は業績が伸びず、企業の存続が厳しいといえるでしょう。
また、若手社員が育たない場合、お手本となる先輩社員がいないため、若手社員の採用・確保が困難となるでしょう。
中堅社員(管理職)が育たない場合
若手社員(部下)の成長には、中堅社員(管理職)の成長が大きくかかわっており、中堅社員(管理職)が適切に育成されていない場合、若手社員(部下)は育ちません。
そのため、中堅社員(管理職)が十分な教育や研修制度を受けておらず、管理職としての成長が見込めない場合、間接的に企業の将来的な成長を妨げていることとなります。
また、中堅社員(管理職)の場合、管理職手当などが発生しますが、管理職としての役割をしっかり果たせていない場合、そのような人件費は無駄なコストとなってしまいます。
若手社員(部下)が育たない原因は管理職(上司)の責任?
若手社員(部下)が育たない主な原因には「管理職(上司)のあり方」が関係しています。
若手社員(部下)が育たない原因は上司にあり
若手社員(部下)が育たない原因は、管理職(上司)にあることがほとんどです。
中小企業の多くの企業では、管理職が、部下の教育・育成方法を知らなかったり、誤った人事評価を実施したりしています。
部下の育成方法を正しく把握できていなければ、当然部下が成長することもなく、成長を感じられない若手社員は、仕事に対する意欲やモチベーションを保てなくなってしまいます。
また、部下が納得できる方法で、人事評価をおこなわないと、部下は上司に対する信頼をなくし、離れていってしまうこともあります。
若手社員(部下)の成長には、上司による適切な部下育成・フォローアップが必要不可欠です。
優秀な管理職(上司)でも若手社員(部下)が育たない原因
優秀な管理職(上司)のもとで働く若手社員(部下)は、必ずしも成長が保証されるわけではありません。
優秀な管理職であれば、誰でも完璧に若手社員を育成できるわけではなく、むしろ、優秀な管理職なほど、固定概念やプライドをもっており、「人事評価を実施したから管理職としての役割を果たした」という間違った固定概念や、「自分の部下育成方法は正しい」という頑固なプライドは、若手社員の成長を妨げる要因のひとつとなってしまいます。
また、仕事はできてもコミュニケーション能力に欠けるというタイプも多く、社内コミュニケーションが円滑におこなえないことで、組織としての機能を低下させ、成果や結果が出ないだけでなく、「上司と部下の信頼関係が築けない」状態となってしまいます。
若手社員(部下)を育てる前に管理職(上司)の育成を
企業の未来を担う若手社員(部下)の育成に力を入れている企業は多いですが、管理職(上司)の育成に力を入れている企業はほとんどありません。
しかし、若手社員(部下)の成長には、管理職(上司)のあり方が深くかかわっているため、若手社員(部下)の育成の前に、そもそも管理職(上司)の育成に力を入れないと意味がありません。
管理職の教育が重要な理由
若手社員は、先輩や上司をみて育ち、尊敬できる存在がいて、モチベーションを保つことができるのです。
そのため、上司である管理職が、毎日やる気のなさそうに仕事をしていたり、毎日遅くまで残って仕事をしていたりするような姿を見れば、部下は当然「こんな風になりたくない」と思い、育つどころか、離れていってしまうでしょう。
反対に、上司である管理職が、部下育成に熱心で、成長を見守ってくれたり、管理職として活き活きと仕事に励んでいたりする姿をみれば、「自分もこうなりたい」と、モチベーションを維持し、自己成長に向けて奮闘するでしょう。
このように、管理職のあり方は、若手社員の成長意欲に大きな影響を与えます。
管理職の育成には管理職研修が有効
管理職の育成が大切であることは理解できても、管理職の育成とは、具体的にどのようにしておこなえば良いのか疑問に思った方も多いかと思います。
管理職の育成には、「管理職研修」が有効的です。
管理職研修が必要な理由
管理職に必要なスキルは、部下育成スキルのほかにもさまざまなものがありますが、それらを日常の業務の中で身につけることは困難です。
また、管理職研修において重要なことは、「意識改革」をおこなうことです。
「意識改革」も日常的にできるものではないため、「管理職研修」を通して、必要なスキルを身につけます。
まとめ
企業の成長に、人材育成は必要不可欠です。
しかし、「人がなかなか育たない」、「育つ前に辞めてしまう」など、人材育成および人材確保の問題で悩んでいる企業も多いです。
人材が育たない企業の原因の多くは「管理職のあり方」に問題があります。
管理職研修を活用して、企業全体の成長につなげましょう。
企業が良好な経営を保ち、さらなる発展を目指すために、人材の成長は欠かせません。