人が育たない職場には理由がある!中小企業にみられる特徴とは

人が育たない職場には理由がある!中小企業にみられる特徴とは
大橋高広

企業にとって、人材の成長は欠かせない要素のひとつであり、人材が育たなければ、企業は成長せず、衰退してしまいます。

中小企業の多くで課題となっていることが、「人材の確保」および「人材の育成」です。

「人が成長する前に辞めてしまう」「教育・研修に力を入れていても人が育たない」など、人材の育成について、悩みを抱えている企業も多いでしょう。

「なぜ、人が育たないのか」、中小企業にみられる特徴について解説します。

人が育たない職場の特徴

人が育たない職場には、いくつかの特徴がみられます。

以下に当てはまる企業は、「人が育ちにくい企業」である可能性が高いため要注意です。

社員のモチベーションが低い

全体的に社員のモチベーションが低く、やる気がみられない職場は、人が育ちにくい傾向があります。

企業が、社員に対しての教育や研修に力を入れていなかったり、モチベーションを維持するための工夫を施さなかったりしていれば、当然、社員のやる気は失われ、企業全体の成長につながりません。

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部下の仕事を上司が代わりにやってしまう

仕事ができる上司ほど、部下の仕事を代わりにやってしまいがちですが、それでは当然、部下(若手社員)の成長は望めません。

多くの職場では、上司が「自分でやった方が早い」と判断したり、部下に嫌われたくないあまり、「指示を出さない」「頼みづらい」という理由から、仕事を割り振らなかったり、誤った判断で、部下の成長を妨げていることが現状となっています。

社員同士のコミュニケーションが取れていない

人が育たない職場は、社内の雰囲気がギスギスしており、社内コミュニケーションがうまく取れていないことがほとんどです。

上司と部下の報連相や、必要な打ち合わせなど、社員ひとりひとりや、チーム全体の進捗などを共有・把握することで、適宜必要な任務などが与えられるため、コミュニケーションが円滑におこなわれていない場合、社員が成長しにくい職場環境であるといえるでしょう。

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採用活動がうまくいかない

採用活動がうまくいかないような企業も、人が育ちにくい職場である傾向があります。

人が育たない企業は、社員のモチベーションが保てず、離職率も高くなる傾向があり、人が育つ前に辞めてしまうため、「出世した先輩社員」「生き生きと働いている上司」の例がなく、就活生や転職活動中の人たちにとって、「魅力のない企業」「離職率が高い=ブラック企業」という印象がつきやすくなります。

そのため、人が育たない企業は、人材の確保が困難となりやすくなるでしょう。

人が育たない職場が抱えるリスク

人が育たない職場のまま放置していると、さまざまなリスクを抱えていくこととなります。

企業の衰退

人が育たない職場のままでは企業は成長せず、まわりの変化についていけなくなり、どんどん衰退していきます。

企業が中長期的に成長していくためには、若手社員の成長や、教育された管理者の存在が欠かせません。

人が育たなくても「現状維持できていればいい」という誤った考えは捨て、社員の教育を怠らないようにしましょう。

離職率の増加

人が育たない職場のままでは、社員のモチベーションはどんどん下がり、人が離れていきます。

特に、優秀な人材ほど成長意欲が強いため、「この会社では成長できない」と感じると、会社を辞めてしまう傾向があり、優秀な人材を失うことは、企業の未来に大きく影響するため、大打撃です。

また、離職率の増加は採用活動の厳しさへもつながるため、負の連鎖しかありません。

離職率の増加を引き起こさないためにも、社員の教育に力を入れるようにしましょう。

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人が育たない職場の原因は上司にあり

人が育たない職場の原因には、さまざまな理由があげられますが、中でも「上司のあり方」が大きくかかわっています。

部下が育たないのは上司の責任

部下(新入社員や若手社員)が育たないのは上司の責任であり、中小企業では、多くの上司(管理職)が、部下に対する適切な教育がなされていないことが現状です。

また、上司自身が十分な教育・研修を受けていないために、「上司としてのあり方」を理解しておらず、人事評価をはじめとする、部下に対する対応がおこなえていないことが多いです。

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社内での問題共有不足

本来、上司(管理職)は、社内での問題(情報)共有を橋渡しする重要なポジションですが、人が育たないような職場環境では、日頃から上司の態度が悪く、部下が「問題があっても報告しづらい」「いつも忙しそうで話しかけにくい」など、上司に対して問題共有しづらいと感じていることも多くあります。

また、上司自身も、部下からの問題共有をさらに上の役職などに報告するとき、「チクった」と部下に嫌われることのリスクや、報告することで「お前の責任だ」と、言われることのリスクがネックとなり、社内コミュニケーションが滞ってしまうこともあります。

このように、本来上司(管理職)が果たすべき役割が果たされていないことで、社内全体のコミュニケーションが滞り、結果として、人が成長できないような職場となってしまいます。

部下が育たない上司の特徴

部下が育たない上司にはいくつかの特徴がみられます。

仕事はできるがコミュニケーション力に欠ける

仕事ができるからといって、部下の教育ができるとは限りません。

いくら業務を完璧にこなせるような上司でも、コミュニケーション力に欠けるタイプも多く部下と円滑なコミュニケーションをおこなえていない上司が多いです。

上司(管理職)のコミュニケーション能力が欠乏していると、組織全体の機能不全につながり、人および企業の成長に支障が出るだけでなく、「上司と部下の信頼関係が築けない」という弊害が発生します。

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部下の育て方を知らない

中小企業の上司(管理職)の中には、そもそも部下の育て方を知らないという上司も多く、どのように部下を育てたらいいのか分からず、自己流かつ誤った教育・指導をおこなっている上司も多いです。

特に、「年功序列制度」による昇格を経て管理職となった場合は、「どうしてこのような結果・成果に辿り着いたのか」というプロセスや行動内容を明確に意識できる能力が乏しいため、部下を教育する際、「みるべきポイント」をおさえた評価をおこなうことができず、適切なアドバイスや指示を与えることもできないため、部下にとって満足できる教育・評価が受けられないという事態に陥ってしまう傾向があります。

上司の育成が最優先

企業にとって「人を育てる」ことは必要不可欠ですが、多くの中小企業では、新入社員や若手社員の教育・研修に力を入れるだけで、上司(管理職)の育成にはあまり力を入れていません。

しかし、企業の人材を育てるためにはまず、若手社員よりも上司(管理職)の育成が重要です。

部下を育てるためには上司の育成が必要

企業の明るい未来は、若手社員(部下)の成長にかかっていますが、部下が育つためにはまず、上司の育成が必要です。

上司のあり方は、部下のモチベーションに大きく影響するため、部下が尊敬できるような上司であれば、「自分もこうなりたい」と、部下の理想像となり、仕事に対する意欲も増し、部下の成長に期待できます。

しかし反対に、上司がいつも忙しそうにしていたり、不満そうに仕事をしていたりする場合、当然、部下の関心や意欲は薄れ、モチベーションは低下します。

そのため、「管理職のあるべき姿」を意識させるための、上司の育成が必要です。

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管理職研修の必要性

上司が部下を育てるスキルなど、管理職に必要なスキルは、日々の業務の中で自然と身に付くものではないため、「管理職研修」によって身につける必要があります。

また、さまざまなプライドが根付いている管理職の意識を変えるためには、研修によって、これまでの考え方や固定概念を一度リセットしてから、自身の役割を再認識させることが重要です。

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管理職研修を活用して上司を育成しましょう

管理職研修では、「部下の教育方法」を詰め込み式で叩き込むカリキュラムでは意味がありません。

管理職としての役割をしっかりと認識させる、「意識改革・役割認識」を重視したカリキュラムで、「管理職(上司)としてのあり方」、「部下の教育方法」を身につけることが大切です。

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まとめ

企業の成長には、「人の成長」が欠かせません。

「人が育たない職場」には必ず理由があり、その主な理由として「上司(管理職)のあり方」が影響しています。

人を育てるためには、若手社員の教育の前にまず、「管理職の育成」をおこないましょう。

管理職の育成には「管理職研修」の活用が有効です。

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    ABOUT US
    大橋 高広
    株式会社NCコンサルティング 代表取締役社長|人事コンサルタント・研修講師|東洋経済オンライン記事投稿・日本経済新聞での書籍紹介│新刊『リーダーシップがなくてもできる職場の問題30の解決法』(日本実業出版社)Amazonランキング「マネジメント・人材管理」6位│その他著書『バカはブラック企業に入りなさい』(徳間書店)、『人事部のつくり方』(主婦の友社)│人事制度の設計と運用・管理職研修・職場改善研修・新卒研修・若手社員研修など「人事評価制度の設計と運営」を軸に、「組織文化形成・管理職育成・職場改善」など人事全般に関するサポートを提供