しかし、今後、中堅・中小企業が生き残るためには、管理職の育成が必要不可欠です。
現在では、オンライン・オフラインとさまざまな形で研修がおこなわれておりますが、管理職研修に力を入れている企業は少ないといえます。
今回は管理職研修の重要性を振り返ると同時に、管理職研修の内容や管理職に必要な役割・スキルをご紹介いたします。
そもそも管理職研修の目的とは何か?
監理職研修の目的は、組織としての生産性を高め、組織として成果を出すために必要なことを管理職に認識させるためです。
現代の管理職の多くがプレイングマネージャーです。
そのため、テクニカルスキル(業務遂行に必要な業務遂行能力や業務知識)は持ち合わせていても、ヒューマンスキル(コミュニケーションや交渉、調整などの対人関係能力)やコンセプチュアルスキル(情報を概念化し本質をつかむつかむ先見性や洞察力など概念化能力)を十分に持ち合わせずに管理職になった人が大勢いらっしゃいます。
また、管理職自体が多忙であり、近年厳しくなっているコンプライアンス遵守の風潮から「ハラスメント」と訴えられることに怯え、管理職の役割を十分に発揮できずにいます。
このようにがんじがらめとなっている管理職が、今一度、自身の役割を認識し、意識・行動改革をおこない、組織マネジメントを強化していくことが求められています。
職場の問題は誰でも解決できる
人間関係や属人化された業務、従業員のモチベーションの低下、社員の離職率の高さなど中堅・中小企業の多くが職場の問題を抱えています。
しかし、職場の問題は誰でも解決できます。
そのカギを握っているのが管理職の存在です。そもそもなぜ職場の問題が改善されないかというと管理職の「聞き出す技術」、そして「共有する技術」が不足しているためです。
聞き出す技術は、1on1ミーティングを実践すれば、身に付くわけではありません。
1on1ミーティングで、部下の本音を聞き出すには、上司は黙ってずっと話を聞き続ける「上司沈黙法」や面談の時間を設定しない「面談時間無制限法」を活用する必要があります。
また、管理職がなぜ職場の問題を共有しないのかというと、管理職が共有することを無意識に嫌がっている傾向があります。
管理職が嫌がるポイントを解決してあげることで、職場の問題が共有されるようになります。
管理職にはリーダーシップはいらない
管理職に必要な要素として度々取り上げられるキーワードとして、リーダーシップが挙げられます。
”チームメンバーのモチベーションを高め、強い意志と行動力でチームを牽引していく”といったある種のカリスマ性を持つことが理想とされていましたが、現代の管理職に求められているのはリーダーシップではなく、フォロワーシップです。
つまり、チームメンバーがパフォーマンスを最大化するために上司は支援・貢献に徹することが結果的に組織の生産性を高め、組織として成果を出すことができます。
このフォロワーシップを実践するためには、実現可能かつ具体的な目標設定とフィードバック面談、業務効率化、組織課題の発見と解決の方向性の決定等の役割を認識する必要があります。
管理職のフォロワーシップを高めるためには、管理職が自らの役割を認識する”役割認識”という意識改革と、個人ではなく、組織として成果を出すためにはどういった仕組みや行動が必要かという行動改革が必要となります。
よくある管理職研修の内容
多くの企業が管理職研修の重要性を認識しはじめ、オンライン・オフライン問わずに管理職研修が開催されています。
よくある管理職研修は、新任管理職研修向けや役割認識、組織やカネ、人材育成方法といったアカデミックな方法論、上級管理職向けのリスク管理や業績拡大、組織マネジメントの方法を学ぶ場として提供されています。
中にはマネジメントスキルの習得といった研修をメインにしている管理職研修も開催されていますが、マネジメントスキルは座学では身に付きません。
本当に役立つ管理職研修➀ ヒューマンスキル
現代の管理職に圧倒的に足りていないスキルが、ヒューマンスキルです。
ヒューマンスキルとは、コミュニケーションや交渉、調整などの対人関係能力です。管理職の重要な役割のひとつが「組織として成果を出す」ことです。
では、なぜ個人としては優秀な成果を出せる管理職が、チームになると機能不全に陥り、組織として成果を出せないのでしょうか。
一言でいえば、”上司と部下との信頼関係がない”からです。
上司と部下との信頼関係は、1on1ミーティングやフィードバック面談のやり方によって、構築できます。
そこで必要なスキルがヒューマンスキルです。このヒューマンスキルの根本的な技術は”聞き出す技術”です。
この”聞き出す技術”のひとつに面談時間無制限法があります。
一般的な個人面談は1時間ほどが主流ですが、あえて制限時間を設けず、部下が満足するまでじっくりと部下の発言をずっと聞く姿勢をすることで、徐々に部下は本音につながる発言をするようになります。
本当に役立つ管理職研修② 役割認識
役割認識とは、会社が管理職に期待する役割を管理職自身が認識する意識改革です。
管理職は会社の目的を自分事として捉え、組織としてどうやって会社の利益を生み出すかを考える意識改革を行う必要があります。
この役割認識は管理職の階層によっても異なります。
管理職研修をおこなううえで最も大切な意識改革のため、管理職研修のカリキュラムに必ず組み込まれています。
本当に役立つ管理職研修③ 面談の方法を学ぶ
面談では部下の発言を遮ったり、部下の言い分を聞かない管理職が多いといえます。上司の仕事は”黙って部下の話を聞くこと”です。
しかし、黙って部下の話を聞くには、普段から部下の働きぶりを正確に把握し、評価しなければなりません。
また、普段から働きぶりの具体的な行動を記録することが大切です。
また、人事評価面談で使用する人事評価シートには抽象的なことを書いていけません。
必ず具体的な評価を書き、部下の納得感を引き出さなければなりません。
このようにチームメンバーとの面談の方法をしっかりと学び、実践することで組織マネジメントを高める管理職を誕生させることができます。
大橋高広は管理職研修に特化したプログラムをご用意しております
大橋高広は中堅・中小企業の管理職育成に特化した管理職研修プログラムをご用意しております。
- 管理職としてやるべき内容や対人コミュニケーションスキル、フォロワーシップを身につけるための役割認識
- 部下の育成・部下の”本音を聞き出す”面談方法
- 成果を出せる社員を生み出す人事評価・目標管理のやり方
- 職場のコミュニケーションにおける上司の役割を知る
- 職場改善の3つのポイントを解説
『人事制度・管理職研修・職場改善研修』の専門家として商業出版3冊を出版し、人事現場の中に入り込み、従業員ひとり一人の現場の声を直接聞き、人事コンサルティングに反映している管理職研修となります。
管理職研修の内容:まとめ
管理職研修を怠れば、中長期的に企業の衰退につながります。
また、多くの職場の問題は”誰でも”解決できます。その中でも大きな役割を担うのが管理職です。
日本企業の多くは管理職研修に予算を割きません。
しかし、管理職の育成こそが次世代の管理職を育て、組織マネジメントの質を高めることにつながります。
管理職研修の中には、理論やマネジメントスキルについて、座学で学びます。
もちろん、座学で学ぶことに異論はありませんが、具体的な方法(面談方法や評価方法、部下との信頼性の高め方)を学べなければ意味はありません。
ぜひ、本当に必要な管理職研修を知るためにも、一度お問い合わせください。
多くの企業が管理職の育成に消極的であり、管理職育成の重要性に気付いていません。