特に中小企業の人事部では、優秀な人材を確保と育成を行うだけではなく、人事部門が中心となっておこなってきた人事管理を捨てて、人事部門自身がサポート役に徹することが大切になってきます。
管理する側ではなく現場のサポート部門としての活躍が期待されています。
特に人事が頭を悩ませている中途採用や優秀な人材の確保、優秀な人材の育成・定着において、どのように会社は解決をしているのかについて今回は解説させていただきます。
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今の時代に取りざたされる人事課題とは
人事課題アンケートでは優秀な人材の確保が最多項目とされています。
これは中小企業では至上命題になっており、当たり前ですが優秀な人材を確保できないと企業は存続することができません。
特に採用について頭を悩ませていない人事はいないというほど、いまの採用担当者はみんな追い詰められています。
理由としては昨今の好景気で仕事はあるけれど人がいないという人手不足が背景にあるためです。
HR総研の「人事に関する課題についてのアンケート」では人的資源管理において中途採用者をどう採用するかについて、人事担当者が頭を抱えていることが良くわかります。
特にリーマンショック時代に入社し人事部に配属された人事担当者は状況の変化に頭が追い付いていないというのが現状であるといえます。
中途採用者の採用にはトラブルが多く、採用しても定着率が悪かったり、素直に会社に馴染めずに早期離職をしてしまうという問題をどの会社も抱えています。
またそれだけではなく社員の教育と能力開発についても課題であると認識している人事担当者が多いことが分かりました。
採用と教育は人事にとっては要のため、特に力を入れて対策しなくてはいけない課題として認識されていますが、なかなかアクションを起こせない人事担当者も多いのではないでしょうか。
どこの中小企業でも抱える大きな悩みとは
中小企業の人事部において人的資源管理における中途採用者の処遇において、既存の社員との給与バランスで悩んでいます。
理由としては大企業と違い、中小企業の場合は賃金テーブルなどが年齢別に明確になっているわけではないので採用する都度、中途採用者の処遇を決定することになりますが、指標が不明瞭があることが多いです。
今の段階では問題になっていなくても時間が経過するにつれて会社全体で給料に対する不信感が生まれて社員のモチベーションを奪う可能性もあります。
また、優秀な人材の定着についても中小企業では常に頭を悩ませています。
理由としては、中小企業ではエース級の社員の育成に成功しても実力がついてしまうともっと安定した大企業へ転職したいということで退職されることもあるためです。
大企業のようにお金で社員に報いることができない分、中小企業では他の要素で社員に定着をしてもらったり、入社してもらう必要があるということです。
人事部が取り組むべき解決策とは
人事部が取り組むべき解決策として、アンケートの結果、「労働時間に対する不満」や「会社の評価制度に納得がいっていない」という不満が出てくる可能性があります。
不満を一番に解決する必要があります。
仮に労働時間が長いという不満が出てきた場合には勤怠管理システムがあれば残業時間と有給休暇取得率を徹底的に調べあげて残業過多に陥っている部門に対してヒアリングを行うことです。
また、評価制度について不満がある場合には、いままで実施している人事評価制度の中で特に社員が不満に思っているであろうところに対して具体的に改善を行います。
評価制度の見える化を行い、数量などで測定できる分かりやすい成果での処遇を行えば営業職で高い売り上げを出しているエース級社員は定着してくれる可能性が高くなります。
会社において評価制度を見直す場合には、コンサルタントに入ってもらって客観的な人事制度についてのアドバイスを受けることでスムーズに評価制度が出来上がることがあります。
自社の人事部だけで評価制度を運用しようとするとどうしても「客観的な評価指標」が作りにくくなります。
人事コンサルタントに入ってもらうことで支社ごとにバラバラになっていた目標管理が統一されたり、事務職の評価軸などの難しい評価制度を上手に作ってもらえました。
評価の機軸が会社にいる人事部員だけではどうしても偏ることがあるためです。
評価制度は外部のコンサルタントに協力を仰ぐことで、客観性のある納得感のある評価制度になることがあります。
今の時代の人事戦略の本当の活かした方とは
今の時代の人事戦略の本当の活かし方として、目先の採用に追われるのではなく少子高齢化に伴い必ず人が足りなくなる時代が到来します。
若者を少しでも多く採用し、定着に向けてフォロー面談を行ったり、場合によってはチャンスを与えてこれまでの慣習通りの年次による昇格ではなく若い年齢のうちから係長や課長といったリーダー的役割を担ってもらうことで、新しい風を組織に取り入れる努力をすることです。
いずれは管理職を経験することになるので、若いうちから人を引っ張る権限を与えてリーダーシップを持たせるというやり方です。
若いうちから部下を持つことで、将来管理職として活躍してもらえる可能性が高くなります。
ミドルマネジメント層の育成
ミドルマネジメント層の育成については、非常に課題が多いです。
理由としては、我流で部署運営を行ってしまっているため機能不全を起こしてしまっているミドルマネジメント層が多く、若手社員のモチベーションを奪ってしまっている方も多くいらっしゃる年代のためです。
また本来は会社全体を見て判断すべき問題などに対処する能力に欠けてしまっている方も多く見受けられるため積極的に研修などを行う必要があります。
会社の望むマネジメントを推進していくためにも、会社の方針を徹底的に理解してもらい、何をするべきかや組織はどうあるべきかといった課題を解決できるミドルマネジメント層を育成する必要があります。
まとめ
人事の課題として、優秀な人材の確保と、優秀な人材の定着が至上命題となっています。
人事部門も変化を求められており、これまでの管理型の人事から、現場のサポートを行うサポート部門としての人事の仕事の進め方ができることが重要です。
人事課題のアンケートとしては、中途採用者と優秀な人材の育成が最も大きなウェイトを占めており、この二つは特に中小企業の人事を追い詰める問題です。
採用に関しては人事部が採用の現状を把握して、具体的な対策を行うことで採用成功を行うしかありません。
適正な評価制度の導入や、社員の不満を徹底的に分析して改善を促す必要があります。
アンケートや面談などで社員からの不満を聞くことで課題解決への糸口を見つけることができます。
評価制度への不満については、人事部だけでは対応できない可能性も高いため外部の目を入れることで解決できることも多々あります。
今後は人事戦略が大切となってきており、少子高齢化を見据えて中長期的な視野に立っての採用が必要となってきています。
またミドルマネジメント層の育成も大切な課題となってきており、会社の望むマネジメントを行ってもらうために研修などが重要となってきます。
人事の課題としては優秀な人材の確保と優秀な社員の育成・定着が最大の課題となっています。