「エクセルを使って人事評価をしているけど、工数がかかりすぎる…」
「人事評価を多面的に行いたいが、情報共有に手間がかかり実現できていない」
人事評価にかかる工数を減らし、一人の従業員の評価を多数の管理職で行うことで、正当な評価が実現できることはわかっているはずです。
しかし、エクセルを使った従来の評価方法では手間がかかりすぎて実現できないのが現状でしょう。
そこで今回の記事では人事評価システムについて解説します。
人事評価をシステム化することで、迅速かつ公平な人事評価を実現することができます。
それが従業員満足度を高め、適切な人材配置につながるのです。
あなたも人事評価システムを導入し、日々の単純作業にかかるコストを削減して人事担当者にとって最も重要な人材マネジメントに集中できる環境を作りましょう。
人事評価システムとは
従来の人事評価はエクセルなどの表計算ソフトにテンプレートを作成し、それを用いて行われることが多くなっていました。
そのため実際に評価をする際はいちいちエクセルのシートを用意せねばならず、場所や時間に拘束されずに臨機応変に評価を進めることが難しい点にデメリットがあったのです。
人事評価システムとは表計算ソフトを離れて、人事評価のためだけに構築されたシステムを用いて人事評価を行うものです。
人事評価システムをどこに構築するかで大きく以下の2つのパターンがあります。
- クラウド型:サービスを提供する企業のサーバー上に人事評価システムを構築するもの
- オンプレミス型:自社のサーバー上に人事評価システムを構築するもの
クラウド型は自社でサーバーを用意する必要がないためコストを削減することができる反面、自由なカスタマイズが難しい特徴があります。
一方で、オンプレミス型はサーバーの用意と管理に一定のコストが発生するものの、人事評価システムを柔軟にカスタマイズしやすいという特徴があります。
初めて人事評価システムを導入する際には、クラウド型を利用してシステム化することのメリットや実際の評価手順についてイメージを持つのがお勧めです。
しかし、最終的にはオンプレミス型のシステムを導入することであなたの会社に適した人事評価システムをつくり上げていくことができます。
人事評価システムを導入する4つのメリット
人事評価システムを導入する主たるメリットには以下の4つがあります。
時間的コストの削減
従来のエクセルを用いた人事評価ではいちいちエクセルを印刷し、面談の場でそれに管理職が評価を手書きし、人事担当者がそれをエクセルに再入力するという形で配布と回収に大きな時間的コストが発生していました。
また分析をする際も、数あるエクセルのシートをすべて印刷する必要がありました。
一方で人事評価システムを導入すると、すべてのパソコンから臨機応変にシステムにアクセスすることができるようになります。
また、集計・分析といった機能もシステム上で簡単に利用することができます。
このように人事評価システムは人事担当者および管理職に発生していた時間的コストを大幅に削減することができるのです。
多面的かつ公平な評価の実現
人事評価システムがサーバー上に存在することで、アクセス権限を付与されたすべての従業員および管理職がシステムに常にアクセスすることができます。
そのため一人の従業員の評価に多数の管理職が関与しやすくなります。
このように一人の従業員の評価を一人の管理職に依存させない体制を作ることで、多面的かつ公平な人事評価を実現することができます。
人事評価の透明化
従業員が会社の人事評価に不満を抱く場合、人事評価がどのようになされているか不透明であることに起因することが多くなっています。
年功序列により評価がなされていた過去の日本では、勤続年数が長くなれば長くなるほど従業員が昇進してきました。
そのため人事評価に過程に不透明な部分があっても従業員の大きな不満にならなかったのです。
しかし年功序列から成果主義に移行しつつある現代において、不透明な人事評価は従業員の中に不公平な評価が行われているのではないかという疑念を生みます。
そこで事前に評価基準や目標が明示された透明な人事評価システムが求められているのです。
多くの人事評価システムでは、はじめに評価基準と目標値を設定し、それに従業員個々の実績を照らし合わせることで評価がなされます。
また前述したとおり、複数の評価者が関与しやすいものであるため、一人の上司から恣意的な評価をされる恐れも小さくすることができます。
巡業員満足度の向上
ここまで解説してきた人事評価システムを導入するメリットは人事担当者のみならず、評価される側の従業員の満足度を高めることに繋がります。
複数の管理職が関与した公平な評価に基づき、従業員一人ひとりに対して業務のフィードバックがなされることで、従業員は自らに足りない点を客観的に認識することができるのです。
そのため、人事評価システムは従業員の大きな成長に寄与する可能性を秘めています。
また「仕事で成果を出せば、適切に評価される」という安心感を従業員に与えることで、従業員の会社に対する不信感を減らし、離職率を低くすることにも繋がるでしょう。
さらには客観的に従業員の能力を分析することができるため、適切な人材配置を実現することにもつながります。
不公平で恣意的な人事評価は、従業員が秘めている資質や能力に管理職が気づく機会すらも奪ってしまう恐れがあるため、会社の成長を阻害する要因にもなるので注意が必要です。
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人事評価システムを導入する5つの手順
会社の成長と離職率の低下を実現するならば人事評価システムの導入を本格的に検討する必要があります。
人事評価システムを導入する5つの手順と注意点について説明します。
現在の課題の洗い出し
特にオンプレミス型の人事評価システムを導入する際は自由なカスタマイズを望むことができるため、事前に現在のあなたの会社における人事評価の課題を洗い出しておく必要があります。
そうすることで、課題に対してピンポイントに対応することのできるシステムを構築することができるためです。
課題の洗い出しに際しては、人事担当者および管理職にて行う必要があります。
特に管理職は現場で雑務をこなす人事担当者の意見にしっかりと耳を傾ける必要があるでしょう。
管理職にしか発見できない課題もあれば、現場担当者にしか発見できない課題もあるのです。
導入時期と予算の確定
前述したとおりクラウド型とオンプレミス型では初期費用に大きな違いがあります。
またシステムを構築・提供してくれる会社をどこにするかによっても、ランニングコストやシステムの販売価格は大きく異なります。
そのため、複数の会社に見積もりを依頼する前に導入時期とコストを明確に定めておくことが重要となるのです。
この際は初期費用のみならず、システムの管理・運用に必要な人件費も含めた中長期的な視点でコストを計算しましょう。
人事評価システムのピックアップ
現在、市場には様々な人事評価システムが存在します。
それぞれ異なる機能をもっており、導入にかかるコストと期間も異なります。
そこで、導入時期と予算が決まった段階で、インターネットを使ってあなたの会社に相応しいと思える人事評価システムを複数ピックアップしましょう。
この際は、あまり厳しい目で選別しないことが重要です。
なぜならば後々に、システムを販売している会社と商談をすることで、思わぬメリットを見つけることができる場合があるためです。
複数の販売会社に見積もりを依頼
あなたの会社に合う可能性のある人事評価システムをピックアップしたら、次は販売会社に見積もりを依頼しましょう。
この際は紙による見積もりを受け取るだけでなく、実際に販売会社の担当者の話を聞く機会を作る必要があります。
そこで疑問点を解決することで、最終的にあなたの会社に最も適した人事評価システムを選ぶことができます。
システムの機能のみならず、アフターフォローについても詳しく担当者に聞きましょう。
またデモ商品を人事担当者が実際に操作する機会を作ってもらうと、運用のイメージを持つことができます。
導入システムの決定と運用
見積もりが揃った段階で経営者も含めて実際に導入するシステムを決定します。
そして導入作業を終えて実際に運用していくこととなります。
初めて使用するシステムなので、はじめのうちはエクセルによる人事評価も残しておくことをおすすめします。
その上で段階的に人事評価システムに移行していくことで、不測の事態に対応しやすくなるでしょう。
人材の定着を維持するためには中間管理職による1on1面談が必要不可欠であり、部下やチームメンバーの課題や悩みを引き出すために必ず実施する必要があります。ところが、管理職自身は1on1を受けたことがないために、どうしたら良いのかわからないという方は少なくありません。そんな悩みを抱えている管理職・職場リーダー向け人事テンプレート「1on1面談テンプレート」と「実践のための研修資料」を無料でダウンロードいただけます。
まとめ
- 人事評価システムとはサーバー上に構築された人事評価のためだけのシステムである
- 人事評価システムを導入することで、人事担当者の時間的コストを削減することができる
- 公平、多面的また透明な人事評価は従業員の満足度を向上させる
- 人事評価システムを導入する際は現在の課題を洗い出し、複数の会社に見積もりをとるべき
人事評価システムはあなたの会社の業績を向上させ、従業員の離職率を低くする可能性を秘めています。
また人事担当者の雑務を減らし、人材マネジメントに集中するための時間的な余裕にもつながるでしょう。
あなたもエクセルを使った使い勝手の悪い人事評価から、サーバー上に構築された本格的な人事評価システムの導入に向けて動き出してみてはいかがでしょうか?
あなたはこういった悩みを抱えていませんか?